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DATE: 2009/01/12(月)   CATEGORY: 店主の宝物庫
救えない程に。
―救えないほど、人は救いたいと願う。

バリゾンネの奥さんは、温かい飲み物をくれ何があったのか尋ねた。
見知らない男の2人組みに追われ、挙句の果てにお嬢さんを連れ去ったという濡れ衣をかけられた。
そう話すと、奥さんは真剣な眼差しで『本当にやっていないのよね?』と尋ねた。

『やってないよ・・、誰かを連れ去るだなんて・・そんなの僕はやらない!』
半ば叫ぶようにして言うと、奥さんは『ごめんなさいね、』と謝って頭をなでた。

『・・・メッツェティーノ・・駄目なのかな・・・』 
ポツリ、と呟いた言葉に奥さんは難しそうな顔をしていた。

『大丈夫よ、家の旦那は一番のお医者さまだから。きっと、大丈夫、きっと』
そう言って、奥さんは何処かへ行った。
目をやられてしまった、あれじゃあ楽器が弾けない。もう、あの音も聞けない。
プリチネッラを襲ったのは、おそろしいほどの罪悪感だった。

『どうしよう・・・―』 罪悪感の中どろり、とした眠りに落ちた。

『で、どうして刺されたんだ、メッツェティーノ』
手術が終わったのか、バリゾンネは横たわるメッツェティーノに尋ねた。

『イカツい男2人組みがプリチネッラを刺そうとしてた・・・多分だけどアイツら例の組の部下だ』

『どうしてそんな奴等がプリチネッラを・・?』 『分からない、分かってたら・・苦労しないよ』

ひたりと、メッツェティーノが自分の負傷した眼へと手を伸ばしていた。
『・・・・・見えない、』 

『生きれただけでも儲けものだ・・と言いたいが、お前さんの目はもう見えんじゃろうて。良くて、ぼんやり見えるのが限度じゃ、眼鏡をかけてもおそらく意味は無い』
バッサリといったのは真実を先に告げておいたほうが良い、と思ったからだ。でないと、彼は折れるだろう。

『そっか・・、見えないのか・・俺・・楽器弾けないかな・・』
『・・・・、分からんそれはお前さんじゃないと』 そうだよなあ、と言って、先生と続ける。

『俺、不思議と後悔してないんだ。プリチネッラを助けて、視力を失った事に』
『・・・・なんでじゃ?』

『多分、初めて出来た家族を・・・救えたからかな?それに、思うんだ。楽器も・・多分弾けるって』

Re:romance  ((←ロマンス。 芸術歌曲の意味らしい。
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