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DATE: 2010/02/05(金)   CATEGORY: 店主の宝物庫
イーグルハンド。
―前もって言って置くが、これは僕のせいじゃない。

「うわああああん!」
目の前で泣き叫ぶ子供がいるが、決して僕が泣かせてしまったわけじゃない。

そう、この子供は僕が今着けている鬼のお面を見て泣いているのだから。

世間は属に言う節分。鬼は外へ、福はお家へ、なんてお馴染みのフレーズが何処からも聞こえる。そして、僕が今着けているお面は先日柳童から貰った物だ。時期を見てつけたが、それが仇となるなんて。

「うわああん!!」
子供の泣き声というのは、多分歯医者の治療機器の低周波に似ている効果があると思う。

「頼むから、泣き止んで。」
懇願するように見ず知らずの子供の頭を撫でるが、全く効果が無い。かといって、お面を外す事も出来ない。

だって、そうだろう。こっちをみせた方がよっぽどこの子は泣いてしまう。確信があるのだ。怖がらせてしまう、という事に関しては。困った、実に困った。そう思っていると、影が差した。

振り向くと、妹が居た。そして、こちらに向かってパクパクと口を動かす。

「違う、断じて違う、僕が泣かせたんじゃない。ああ、僕だって泣きたいんだ。」
そう言うと、妹は隣りに来て子供の頭を撫でた。よしよしという具合に。

すると、子供は泣くのを止めて妹を見た。だが、その顔は明らかにガッカリしていた。何故。

それでも、妹はまだ頭を撫でるのを止めず砂場に指で文字を書いた。

『このオニさんは参った、と言っています。』

『もしあなたが泣きやんでくれたら、ジュースを買ってくれるそうです。』

さらさらと、いつの間にか言っても無い事が書かれていた。子供はといえば、砂の文字を読みこちらを見て、満面の笑顔を浮かべた。子供だって、現金なのだといわんばかりに。

「・・何時、僕は奢るといった。」
パクパクと妹は口を動かす。

「確かにそのまま泣き止んでくれないよりかはマシだが・・ああ、もう分かった!林檎ジュースで良いだろう?」
こくりと頷く妹を見て、僕は自販機へと歩く。

妹はそんな兄の姿を見て、次には子供を見て砂に文字を書く。

『泣き止んでくれて、有難う。でもね、オニさんも色んな所でいじめられたから泣きたいの。だから後で戻ってきたら、お疲れ様でしたって言ってあげて下さい。』

砂の文字を読み取りこくりと頷いた子供を見て、ただ彼女は、そんな毎日に笑った。

Re;never escape
((↑決して逃げれない。
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