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DATE: 2010/07/22(木)   CATEGORY: 店主の宝物庫
貴方はこれを他力本願と笑うだろうか。
―最初の札はきっと誰かを守る為に使いたかったんだ。

「―僕の答えは『この部屋にいたのが1人だけなら部屋から普通に出て行った』そして、『2人居たならどちらかが出て行ってもう一人は残ったまま』です。」
大人たちと、残った成人者そして、イナバは驚いた表情を見せた。

「ほほう、だがウタゲ答えがなぜ2つもあるのかの?」
ミツヨシ老は笑みを崩さず、弟子を見守る師匠のように優しく尋ねた。それにウタゲは微笑を返して答える。

「―それはお爺様が良くご存知ではないかと。」
「・・というと?」
「この”問い”はお爺様が作られたのですよね?」
「いかにも。」
「なら僕は”答え”を果たしました。なぜなら、手紙にもこう書いてあったからです。」

「”答えれば”次の儀へ進めれるものとする―と、」
沈黙が流れたのに、両者はただ顔に笑みを貼り付けたままだった。故に恐ろしかった。

「良かろう。」
その言葉にウタゲはミツヨシ老を見た。それをミツヨシ老は確認してから続ける。

「”考の儀”ウタゲ、成功とす。キミシカ、ウタゲの札を。」
「はい、旦那様。」
折り目正しく頷き続いてウタゲの側へ行き最初に札が納められていた箱の中へと札が収まった。

ウタゲはそれを見て、ふう、と一息を着いた。

「それにしても、ようやった。ウタゲ。」
「有難うございます、お爺様。」
オツシロやカズアツもどこかほっとした表情を浮かべる中トビシマがすっと立ち上がってウタゲの隣りへと行った。

「一つお聞かせ願おう、親爺殿。」
「なんだ、トビシマ?」
「この”問い”には一体何の意味があられたのか。」
「では逆に聞こう、トビシマ。お前はコレに何の”意味”が在ると思う。」

「・・・・・、”裏切り”」
トビシマはぽつり、とそう呟いた。それにミツヨシ老は満足そうに笑い頷く。

「それも又一つ。お前の息子の答えは実に優しく出来ておる。」
「褒めて頂いていると取って置きましょう。」
「そうすると良い。さて、・・・・次は”力の儀”だったか。まあ、未だ2日目。また夜にでも説明するとしよう。」

ミツヨシ老がそう言うと背後から光が漏れた。キミシカが襖を開けていたからだ。リガキはその光景を見て、箱に収まった札の願いに馳せた。


「そっか。そういえば、答えを答えるんじゃくて、答えればって書いてありましたね。」
イナバはふむふむと納得したという表情を浮かべていた。それにリガキは苦笑した。

「そう。だから、ウタゲ君は答えた。だけども、何とも捻くれた問題だよ。」
「あのリガキ教授、トビシマさんが言っていた”裏切り”って何ですか?」

「・・・そのままの意味だと思うよ。」
「その、まま?」
「うん。あの考の儀というのは・・・・裏切りの際の対処じゃないのかな。」
「え?」
心根の優しい青年は顔をゆがめた。

「鍵は掛かっていたか、いなかったか。これも一つの論点だろうけど。もし内側から、もしくは掛かっていない、とすれば何人だろうが自由に出入り可能だね?」
「はい。」
「けど、もし掛かっていて尚且つ多人数の場合。どうして彼らはそんな事になったんだろう?」
「それは・・、諍いがあったからですか・・?」
「かもしれない。だが、もし諍いがあったとして、鍵をかけた外側に人は絶対に居る。なら、その人物に出してもらう為には鍵の内側、鍵を閉められ閉じ込められた中の人は―」

「仲間を裏切るしかない。」
今まで議論していた以外の声が聞こえたと思いそちらを向けば、ミネガマがお茶を啜っていた。

「それにしてもむごいですね。それよりももっと悪い展開の”答え”もあれにはあった。」
「悪い展開?」
「全員出られず仕舞い。そんな中でウタゲ君の答えは本当に優しい物だった。さしずめこの”考の儀”は”人物の人となり”を知るのに良いもの、って気がしましたけど。」
ちろり、とミネガマはリガキを見てだれに向けて言うわけでもなく言葉を落とした。

「・・御当主はそれの為にやったんですか?」
「どうだろう、僕等にも”札”があればよいのにね。」
にこり、と笑うリガキにミネガマは溜息を漏らした。イナバはそんな二人の真ん中に挟まれ、ただ苦笑した。

Re;Please input the sentence that I want to translate into here.
DATE: 2010/07/21(水)   CATEGORY: 店主の宝物庫
守りたがりの札。
―どうしようもない自信の無さに終止符をうった。

「”考の儀”の答えを、ですか?」
「うん。これ以上の考えは思いつかないしお爺様に聞いていただこうと思うんだけど、良いかな?」
「では、直ぐに旦那様にお伝えして参りますので朝食を取られていてください。」
「分かった。頼むね、キミシカ。」
「はい。」
キミシカはウタゲにご飯をよそうと静かに席を立った。ウタゲはよそわれたご飯から出る湯気を見ながらパクリ、とご飯を食べた。

「リガキ教授」
リガキは呼ばれたほうを向くと鮭の塩焼きを黙々と食べながらミネガマが呼んだらしかった。

「何だい?」
「あの”問い”は一体何を意味しているんでしょう。」
「意味?」
やはり彼女は切れ者かな、とリガキは青菜の浸しを食べながら思う。対する彼女は、こちらがすっとぼけてるというのを分かってか、何か不味い物を見たような表情をして味噌汁を啜る。

「1つの問いに決めれない複数の答え、あの問いに”明確な答え”なんてありはしない。同時に言えば―返答する側の答えが気に入らなければ不正解にする事も可能。あれはそういう”問い”でしょう?」
「まあね、だけど、こういうこともいえるよ。」
「?」
「”答えなんて在りはしない”」
「・・それじゃあ、何で御当主は”問い”なんて用意したんです。」
「僕も歳を食っていないからそこまでは分からないけど、得てして歳を食った人と知恵比べというのはいささか分が悪い気がするなあ。」
溜息を吐きながら味噌汁を啜るとアサリの出汁がよくきいて美味しかった。

「一つ言えるなら、部外者は口を閉ざす、これに限るという事だよ。」
ミネガマは一度リガキを見て、静かに瞼を下ろした。

かた、と障子が動くと現れたのはキミシカだ。

「皆様、お食事が終わり次第奥間へお集まりくださいませ。」
「何だ?」
「ウタゲ様が考の儀の答えあわせを為さいます。」
「良いのか?ウタゲ兄さん。未だ半日しか経ってないぜ」
「構わないよ、カズアツ。」
ウタゲがそう言うと、カズアツは微妙な表情を浮かべ食事を再開する。そんな中すっとトビシマが席を立った。

「おい、トビシマ何処へ行く。」
「縁側で煙草を吸ってくる。皆食べ終わったら声をかけてくれ。」
ひらひら、と手を振るととすん、とトビシマは障子を閉める。

「自由な奴め、」
「あら、カマカブト兄様はそこが羨ましいんでしょう?」
「ついでに言うならお前の豪胆さもな。」
楽しげに笑って言ってみせるウロコアンにカマカブトは悪態を吐くように言うとウロコアンはそんなの微塵も気にせず更に笑った。

食事をとり終わり、奥間へ行く道すがらリガキは障子へと目をやる。おんぼろ、とまではいかないが少しぼろっちい家に人が7人ほど。だが、玄関先で一人が何処かへ移動している。

リガキは奥間へと入った。前と同じようにミツヨシ老は細面に柔和な笑みを浮かべて座って居た。これがあの捻くれた問いを出した人物とは思えないだろう。

「おはよう。さて、”考の儀”はウタゲが受けたのか。」
「はい。」
「宜しい。で答えは?」
祖父の答えに孫たるウタゲは彼に負けないくらいの笑みを浮かべて、懐から札を出した。

「今札を使う事は許されているでしょうか?」
「あの紙に掛かれてあった事が上限じゃて。」
「なら、僕は札を使おうと思います。」
「ほほ、で、何を願いと?」
老人は楽しそうに笑いウタゲに尋ねる。ウタゲはすうと目を細めて、無表情になった。それにカマカブトやウロコアン、オツシロやカズアツは驚いた。

老人の問いを流したままウタゲはすっと立ち上がり、トビシマの方を向いた。

「父さん、一つだけ尋ねたいことがあります。」
「・・・何だ?」
「僕の考えている事は中っているのでしょうか。」
「俺を見上げてくれるな、ウタゲ。お前の父はそれほどに出来は良くないし、お前の気持ちを読めていないさ。」
「いいえ。出来など問題ではない。そうでしょう?例えいくつ答えがあっても、その答えが真かも分からなければ出来なんか意味をなしません。それに―」
そこで、ウタゲはやっと先ほどまで浮かべていた笑いを浮かばせた。

「僕と父さんは似ている、それは皆さん口を揃えて仰ること。違いますか?」
その息子の言葉にトビシマは寝癖のような頭をガリガリと掻いて一息ついて言う。

「そうなさい。」
父のそれを聞いたウタゲは静かに頭を下げた。

「はい、父さん。」
ぐるり、とウタゲは座布団へとすわり祖父を見据えた。

「僕の答えは―」

―自信が無いからこそ、あの時何も言えやしなかった。

Re;The label which was completed with a feeling of the regret.
DATE: 2010/07/18(日)   CATEGORY: 店主の宝物庫
守りたがりは空を見ながら呟いた。
―寂しがり、君はどうして家から飛び出したの。

ミツヤウタゲはこれまで彼の父の知り合いに出会えば必ずといっていいほど皆口を揃えてこう言った。

『父親に似てしまったのね。』

それはウタゲには残念極まりないと言われているようで、その言葉だけが唯一彼の機嫌が悪くなるものだとは彼らは知らないのだろう。

ウタゲは端から見れば穏やかに見えるのだという。ウタゲ自身にはそんなつもりはなかった。だけども、そう言われてからというもののそうしていた。面倒事はどうにも苦手だったのだ。

小さな子が泣いているのを慰めるのも、同級生たちがつまらない事で小競り合いになっているのを止めるのも、苦手だった。そんな時にウタゲはふと、父の気質を受継いでいると思うのである。

だが、それを億劫になんか思った事は無かった。ただ人は外面ばかり見すぎているのだと思う。

父が本当は誰よりもこまめで、飄々としているのはカマカブト叔父上にも肩を張らずにそんな風にしていたらいいのだと言う父なりの暗示で、軽口を叩いては自分が悪役のように振舞うのは直ぐに相手を混ぜ返すような事を言ってしまうウロコアン叔母様を庇っているからであって。

父は不器用なのだと、母はそう言って良く笑って言い直す。
『ウタゲ、お父さんやお父さんのお兄さん、それにウロコアンさんたちはとても不器用だからお互いにお互いの事素直に聞けないの。』
そう言ってパンッ、と洗濯物を干す母の後ろ姿を思い出した。

ウタゲはキミシカから貰った二枚の手紙を見た。

父は相続についてウタゲに全てを任せた。祖父のような仕事をやりたいと思えば、相続を狙いにいけば良いし嫌だと思えば切り捨てるも良し。ウタゲは正直言って興味が湧かなかった。

だがもしウタゲが仮に”相続”が出来たならば、父への見方は何か変わるのだろうか。そこまで思ってウタゲは池の水面を小波を立てて蠢く鯉たちに麩を撒いた。

「あれ、ウタゲ君?早いんだね。」
声がかかり顔をあげると、背の高い青年イナバが居た。

祖父がこの儀にわざわざ呼んだリガキ先生という、大学の先生であり幾つかの事件に関わった人の生徒だと紹介されたイナバを、ウタゲは少し同族に近い感じがしていた。

「おはようございます。朝食を取ったら直ぐにお爺様に考の儀の事についてお話しようと思って、考えていたら手持ち無沙汰になってしまったので。」
「答え分かったの?」
「『僕なり』の答えは。」
にこり、と曖昧に笑うウタゲに不思議そうにイナバは首を傾げた。

「唐突な質問で申し訳ないのですが、イナバさんは僕と父は似ていると思われますか?」
「え?うーん・・・、未だトビシマさんと話して居ないから良く分からないけど、雰囲気は似ていると思うよ?」
「そうですか。」

一匹だけ墨色をした鯉が麩をぱくりと飲み込んだ。お前だけ何故色が違うのだろうね。

「あ、でも両親や血縁の人と何処かしら似ているって良いよねえ。前に、ええとワニイっていう友達が居るんだけど『ああ、自分はこの人から命を貰ったんだなあって思う。』って僕言ったんだけど、小突かれたんだ。」
ウタゲは少し目を見開いて直ぐに小さく笑った。

心が穏やかになるのも才能だろう。きっとワニイ、という人もこの穏やかさを隠したくて小突いたんだろうなとウタゲは思いながら池の淵から立ち上がった。

「・・そろそろ朝食の用意が出来ていると思います。戻りましょうか。」
「あ、そうだね。」

Re;
DATE: 2010/07/16(金)   CATEGORY: 店主の宝物庫
険しい岩山を人見知りは歩む。
―畜生、離せよお!
―五月蝿いわ、小坊主めが。

イナバは?マークを大量に頭上に残しながら隣りにいるミネガマに尋ねる。
「ミネガマ、これって本当に問いなの?」
「問いよ。ただし答えが曖昧な。」
彼女はあっけらかんと答えた。他の三人の成人者たちはじっと紙を見ている。しばらくしてウタゲがひっそりと言う。
「この儀、僕がやってもいいかな?」
「分かったの、ウタゲ?」
オツシロの感心するようなそれに彼は首を横に振った。

「まだだけど、失敗したとしても二人には迷惑はかからないし、気長にやるよ。」
ウタゲのその言葉を聞いてカマカブトとウロコアンが静かに溜息をまじえて俯いた。
キミシカはウタゲをみて頷き、
「では、ウタゲ様が考の儀と言う事で、以降は変更はできませんが宜しいでしょうか?」
ウタゲは最初に見たときと同じ穏やかな笑みを浮かべて、

「―はい、」
静かに頷いた。

ウタゲはキミシカから手紙の一枚目も一緒に貰うと机の前に座り静かに考え込んでいた。

「それにしても親爺殿も性格の悪い、」
トビシマはお猪口に入れた水を煽りながらそう言う。
「トビシマ、」
それを聞いたカマカブトが叱るようにトビシマの名前を呼んだ。

「事実だ。」
「トビシマ兄様の意見にしては納得できますわね。」
「はあ・・、というかリガキ先生俺には良く分からないのですがあの問いには”答え”があるんですか?」
カマカブトは眼鏡の蔓を押し上げて尋ねた。彼が言うのも尤もだ。不明瞭かつ不安定。それがあの問いを成している生成物だ。

「はい。おそらく、答えが複数。」
「答えが、複数?」
カマカブトは呆気に取られてこちらを見ていると、お猪口の水をウロコアンにもやりながらトビシマはカマカブトに言う。

「兄貴は真正面すぎるから、真正面以外が見えない。」
「あら、トビシマ兄様今日は素晴らしく冴えますね。」
そんな弟と妹を疎ましい目でカマカブトは見る。

「そういうウロコアンお前は肝が据わりきりすぎて息子を怖がらせているだろう。」
リガキはトビシマのその言葉に少し驚いた。だが、ウロコアンは何処吹く風だ。

「あの子は難しい性格ですもの。まるで小さい頃のカマカブト兄様をみてるよう。」
「ああ、確かに。」
「お前等は・・・」
「けれど、まあカズアツの悩みの種な事は否定しません。」
「お前にしては殊勝だな。」
「カマカブト兄様何時までたっても猪突猛進なウロコアンでは無いのです。話を戻しますが、リガキ先生答えが複数と言う事は、”それら全て”を答えきって了ということでしょうか?」
「・・・、未だ分かりかねます。」
「そうですか・・。というより、トビシマお前ウタゲに何か言ってやらなくて良いのか。」
カマカブトにそういわれトビシマはまどろっこしそうに彼を見た。

「一体何を?」
「ゆっくりと考えろ、とか父親として、だ。」
「そんなのはあいつには必要ない。」
「お前と言う奴は・・弟ながら分からん。」
がっくりと肩を下ろすカマカブトにけらりとトビシマは笑って見せた。

「俺も分からないのに兄貴が分かっていたらそれは驚きだ。」
「はあ・・」
「でもトビシマさん、本当に良いんですか?」
「リガキ先生まで、随分とウタゲは見くびっていられるとみた。」
「いえ、そうではないのです。ウタゲ君自身は”何か”に気付いていると思います。」
それを聞いてカマカブトとウロコアンは驚いた表情を見せた。

「前言撤回です、何故そう思われました?」
「これは僕の推測ですが、ウタゲ君はオツシロさんとカズアツ君の手本となろうとしているのかと思ったのです。」
「手本、とは?」
カマカブトが言う。

「これは少し曲がった知恵が必要だと思います。だからこそウタゲ君はオツシロさんやカズアツ君を更に悩ませるのだと思ったのでは?」
「ふふっ、あはは!」
けらけらと笑うトビシマにカマカブトはぽかんとそんな弟を見ている。そして又お猪口を煽ってウロコアンが遅れて『あら、これ焼酎だわ。』と言った。

そして一通り笑い尽くしたトビシマはぐでん、と床に突っ伏した。

「相変わらずお酒の弱い人。」
「・・・・・はあ、」
ウロコアンはそう言って又焼酎の入った酒瓶からお猪口に注いで、カマカブトは溜息を漏らしトビシマの首根っこを掴んで部屋へ連れて行った。

リガキは寄りかかっていた襖の絵を見て、困ったように笑った。

Re;secret child.
DATE: 2010/07/16(金)   CATEGORY: 店主の宝物庫
人見知りの三つ目の願い事。
―栗は拾えても、きっと運までは拾えない。

夕食に出された品々を見ながらリガキは流石だ、と思う。質素ながらも一品を揃えている。

「ミツヨシさんは、あちらでお食べに?」
ふと席にミツヨシ老が居ない事に気付いてリガキはキミシカに尋ねた。

「はい。旦那様は奥の間でお食事を。」
器に櫃に入った炊き立ての米をよそいながらキミシカは答えた。

周囲を見渡せば、イナバが秋刀魚の身をほぐしていたりミネガマは渋い顔をしながらこんにゃくと青菜の白合えを食べていた。リガキはキミシカによそってもらった米を食べながら自分の感じている”違和感”は一体何なのかを考える。
彼ら家族が相続権を巡っているならあまり仲の良くない兄妹が集まった理由を頷ける。だが、残りの違和感をどうにも解消する事が出来なかったのだ。

リガキは損云々の話をした時に真っ先に兄妹たちから批判を受ける事を覚悟していた。しかしリガキの予想に反してそんなのは微塵も起きなかった。どうしてだ。彼らはあくまで”相続権”を争いに来ているんじゃないのか。それとも自分達の子供が儀式を成功しないわけがないという”自信”があるからなのか。

かと、小さく障子が動いてそちらをみると女中がいた。
「あの、キミシカ様。」
「はい?」
名前を呼ばれたキミシカはそちらを振り返り何かをキミシカに渡す。

「これは?」
「旦那様からです。お食事が終わり次第キミシカ様に開けて頂いて皆様にお話しするように、と。」
キミシカは宛名も何も無い白い封筒を不思議そうに見た後『分かりました、』と頷いた。女中は大役を終えたようにほっと一息を着いて下がった。

その光景を見ながらリガキはある人を思い出す。
『人は利益を生むために見返りを要求する。それは自分への利益が無いからという事もあるけど本当は―』

その人の側では良く鈴の様な音がした。鈴はつけていないとのことなのに、だ。

食べていた煮物の器が空になったのをみてご馳走様、というと他の面子も食べ終わったらしくお茶を啜っている。

「それでキミシカ、お父様は一体何を貴方に?」
ウロコアンが尋ねるとキミシカは首を傾げて言う。

「封筒自体には何も書いていらっしゃられないので、中身を見ても宜しいでしょうか?」
「急かしてしまったわね、御免なさい。どうぞ、開けて頂戴。」
「はい。」
キミシカが綺麗に封筒の先を破ると二枚の便箋が出てきた。そしてその一枚を開いてキミシカは音読し始めた。

「夕食を取ってすぐだが、三練を始める。三練最初の儀は考の儀。二枚目に書いてある問いに答えれば次の儀へと進めれる。なお、この儀を行なう者はこの問いを見てから決めても良しとする。そして先ほど三人に渡した”札”の使い道は『問いの答えのヒントを得る』までが上限とする。時刻は三練の儀式の機関一杯ならいつでも構わない。以上―ミツヨシ。」
読み終えたキミシカは二枚目を一瞥して近くに居たオツシロに渡す。オツシロは渡された便箋を見たのだろう、驚きと困った表情を浮かべて他の二人に見せた。

「・・・え?」
「何だこれ、」
二人は呟く様に言うと、ウタゲはキミシカの方を向いて尋ねる。

「父さんたちにこの問いを言ってもいいのかな?」
「ヒントを得る、ということは他の皆様にも言わないと無理ですし、そうではないかと。」
「オツシロ姉さん、読んでもらってもいい?」
「ええ、分かったわ。」

「部屋に人が居た。鍵はかかっていた。ある日部屋の扉が開いていた。さて、部屋の中の人はどうなっていたでしょう?」

『―本当は試しているのかもしれないね。その人が信用に足りるか、どうかを。』

Re;The wish that I prayed for last why the shyness left the happy house be granted.
DATE: 2010/07/11(日)   CATEGORY: 店主の宝物庫
私は驚くほどに滑稽に出来ている。
今晩和!

ゴッドイーターのhp覗いたら思わず叫んだって言うさ・・。

ゴッドイーターバースト秋に発売だそうで、おめでとう御座います!!キャー!

PVも見たんですが・・新キャラは女の子・・男の子・・・どっちだろ?

バーストに向けて色々良くなる所とかもあるみたいですね・・。

とりあえず私はうちのこがバーストでもへっぴり腰ながらに皆と戦う姿を想像しています!

no6で通しますとも!あはは!

ていうか・・PVみた人なら判るんじゃないかと思うんだけど・・え、リ・・リンドさん生きてるるる?

え、ええええ?

いや、ちょっとは思ってた。

どうなんだろう・・とりあえずバースト楽しみです!GE製作部の皆様ファイトです!

あと、昨日図書館ですごい遅れてるんですけど、柳広司さんのジョーカーシリーズを借りてきました。

やっばいね!!

時代は真珠湾戦争とかの辺りで、スパイ物です。

結城中佐と呼ばれる、元凄腕スパイな人なんですがこの方が設立したスパイ養成学校通称D機関、このDにも色々意味があるのです。のスパイの青年達のお話しです。

なんていうかもう・・やばい、いい意味でヤバイ。

とりあえずジョーカー・ゲームの三好さんは反則だったと思います。ええ。

全部が短編なんですが、そっちの方が逆にこの場合は味が出てて良いと思いました。

結城中佐が一応全てに何らかの形で出てはいるんですが、存在感はバッチリです。

そして、短編の主人公たち、ほぼD機関の生徒たちですが・・この人たちは肥大化した自分の自尊心だけでスパイをやってます。なんかもう、そこまで行ったら逆にすごいよねっていう。

出来なければいけない、ではないんです。出来なければ成らないと、彼らは思ってます。

だから難問にもスイスイ答えて行きます。本当はまるし、本の賞で2位だったんですよね?それも頷けました。

久々にいい本を見ました。

それでは、明日バイトなのでひいひい行ってきます!合言葉は新レジ怖い!
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